笑っちゃうほどむきだしの欲望
池松壮亮出演映画 三番勝負
一本目
愛の渦
静と動、現実と非現実、本音と建て前。外と内。朝と夜。
フリーターと奥さんにうそをついてやってきたサラリーマン。OLに保母さん、工場勤務の童貞と謎の常連。途中参加のカップル。大学生とニート。共通点はこの部屋にやってきた目的だけ。
「ここには、そんな意味ありげでカッケーこと、ないっす」のセリフの通り、この部屋を出る前と出た後では外の世界はなにひとつ変わってない。外は、なにも。(前述の「ここには~」発言した人だけは変わったけれどその変化すら浅瀬の小さな波みたい)
4つのベットを上からぐるぐる旋回しながら撮影されたシーンがあの部屋の混沌さを象徴的に感じられてよかったなぁ。あと窪塚洋介がいい緩衝材。
「あそこにいたのは、私じゃないんだと思います。」
「僕は、あそこにいたのが僕だと思ってますけどね。あそこにいたのが本当の自分だと思ってます。」